エプソン販売株式会社 | 株式会社カルティブ 株式会社カルティブ

インタビュー

エプソン販売株式会社

これまでにないビジネスの観点を学び、新しい価値を創出する。
セイコーエプソン社の長い歴史と未来を歩む。

エプソン販売株式会社

1942年に誕生した従業員約7万7千人、売上収益は1兆円を超えるプリンターやプロジェクターのメーカー「セイコーエプソン株式会社」の国内のマーケティングや販売を担当する企業として1983年創業。現在は「環境負荷の低減」をテーマに、お客様の課題解決に繋がるソリューション提案を事業の基軸においている。

インタビュー:
エプソン販売株式会社
インタビュー: エプソン販売株式会社 販売推進本部
 グリーンモデル推進部 部長 子田様
 グリーンモデル推進部 課長 柴崎様
DX推進部 AC MD課 課長 勝俣様
カルティブ 小坪

「お客様に新しいサービスを提供する」「環境価値を届ける」
メーカーにおける特殊な部門

− エプソン販売についてご紹介をお願いします。

柴崎
セイコーエプソン社は1942年に諏訪湖の時計工場から創業したんですけど、イノベーションを繰り返しながら、プリンターやプロジェクターというプロダクトでお客様に様々な価値を提供してきました。
現在は新たな価値として、再生の工程において水を使わずに、使用済みの紙から新たな紙を作る「ペーパーラボ」なども製造している会社です。エプソン販売はそのセイコーエプソン社の国内のマーケティングや販売を担当する会社です。

- グリーンモデル推進部はどういったセクションですか。

柴崎
グリーンモデル推進部は去年4月に新たに設立された部署です。エプソンには創業当時から「地球をともに」という経営理念があり、環境に対して取り組んできました。
現在は「環境ビジョン2050」で掲げる「2050年にカーボンマイナスと地下資源消費ゼロにより持続可能で心豊かな社会の実現」を目指しています。その中の4つの取組みの1つに「お客様のもとでの環境負荷低減」があるのですが、脱炭素に繋がる製品、SDGsに貢献できる製品などを、きちんとお客様に「価値」としてお届けすると共に、製品ではない「コト」でお客様の環境経営の推進支援を進める部署が我々グリーンモデル推進部です。

ー DX推進部(AC)のご紹介をお願いします。

勝俣
一言でいうと「会計のDX化」を企画・提案する部署です。税理士事務所を通じて、中小企業の業務プロセスを改善することで、税理士および企業経営者のお役に立ち続けることを生業にしています。
事業としてはプリンターとかプロジェクターではなく「ソフトウェアのビジネス」というちょっとエプソンらしくない領域です。会社のイメージとして、あまり「会計」ってイメージはないのですが、実はその事業自体は40年以上になります。
DX推進部全体では、「ハードに依存せずにお客様の価値を創出する」というのが一つのミッションとなっており、自社内のDX化ノウハウを蓄積・事例化し、それをお客様向けのサービスとして展開していくというチャレンジをしています。

ー セイコーエプソン社内、社外問わず業務改善や業務改革を推進されているというわけですね。

勝俣
エプソン販売は90年代に急成長を遂げた会社で、今年で40周年を迎えました。営業組織としての業務改革を全社一体で推進、新陳代謝の時期にあたります。どの企業にも成長過程で乗り越えなければいけない課題はありますが、こうした自らの経験を生かし、お客様の価値創造につなげていきます。

ー カルティブはどのタイミングで関わり始めましたか。

小坪
私が「実務経営サービス」でセミナーを行ったアーカイブをご覧になったという流れで、2022年の春に毎週開催しているriverの企業版ふるさと納税のオンラインセミナーに勝俣さんに参加していただきました。その後改めて弊社にお問い合わせいただいて「企業版ふるさと納税や国の補助金についての勉強会をDXチームのメンバー向けにやりませんか」という話を池田とされていました。
勝俣
社内で話し合いをしているときに、たまたま「企業版ふるさと納税」の話題になりました。知らなかったので「なんだろう?」と調べたら、業界誌の記事が出てきました。税理士を相手にビジネスをしていて「インボイス」や「電帳法」という新しくなる制度の中で、こういった制度背景をもとに地方創生や地域経済支援にお役に立てないか?と考えて連絡を取りました。
最初は緊張しながら「税理士と組んで何かやりたい」という相談をしました。
次に、JTBさんの例を伺いました。企業版ふるさと納税のスキームで研修を行える、ということで当社のビジネスでも転用できるのではないか、という相談をしました。

新しい観点で新規のビジネスモデルを作る中で生まれた
部門間のシナジー。

小坪
そこから社内で展開していただいて「エプソン販売でそういう勉強会をしませんか」という流れになりました。
2022年の8月から毎月1回、計4回の勉強会をDXチームにさせていただきました。そして、子田さんと柴崎さんとは勉強会の企画の会議から関わり始めました。
子田
「新規のビジネスモデルを作る」という今までのやり方とは違う「新しい形での貢献」を探していたんです。
地域の企業と自治体と弊社で組んで、「kamikuru」というサーキュラーエコノミーの活動は既に3年以上取り組んでいるんですが、それをどのように実務、実利へ広げていくか、ビジネスにしていくか?という課題の一つの解答が企業版ふるさと企業の活用なのではないか、そんな考えから研修の企画が始まりました。
柴崎
個人版ふるさと納税には皆意識が高いんですけど、企業版ふるさと納税はそれ自体あまり知られていないんです。説明をしていただいて、関わる自治体・企業の誰にでもメリットがある仕組みということに驚きました。特に現在、我々の言葉で「共創」と言っていますが、自社で何をするかというより、地域とどういうふうに連携していくかを考えたときに、そのフレームワークは大きな発見でした。その利活用はこれから検討していく必要がありますが、これを知ることでまた違う観点のビジネスができるのかなという体感を得ました。
小坪
研修は30代の営業部門の方々を中心に様々な部門の人に参加してもらいました。
生産部門の方もいらしてくださいました。新規事業開発をする上でその30代のメンバーがコアとなり部門間の新しいシナジーを生み出せたらなという狙いもありました。グループワークやプレゼンを通してそれまで他部門であんまり関わりのなかった人と社員同士が話すきっかけになった作用に貢献できたのはうれしかったです。
子田
我々の製品はお客様に直販するより、ほとんどが販売店さんに卸すというビジネスモデルなんです。
その固定したビジネスモデルの考え方を少しずつ変えていき、柔軟な視点を持つためにも、勝俣が多くの部署を巻き込んで開催したという経緯があります。
柴崎
新たなアプローチの一つとしてあの研修があり、
やっぱり今までやったことない考え方を教わる、仮説やアウトプットを出していくという訓練は苦しみもありましたが、結果的に柔軟な考え方を得られました。
小坪
具体的には、新規事業として企業は社内で意思決定がどのように行われるか。
プロジェクトスキームの書き方をメインに据えて、どういう課題に対してどういうプロジェクトを組んで、それがどういうメリットを生んで...
「何をやると、みんながどのように幸せになるのか」を1枚絵に起こす。
それが研修のメインの課題で、企業版ふるさと納税を活用した事業をシミュレーションしてみました。これは普段、riverのプロジェクトで進めている業務をワークとしてそのまま運用しました。

ー これまでに他の企業でもそういう研修をされましたか?

小坪
そうですね。同じ内容ではエプソン販売さんのみです。
最近は「国の施策を勉強する会」という、色々な省庁の施策を研究しそれらをそれぞれの業務にどう紐付けるかというセミナーを実施しています。
毎月1回、例えば環境省は、どういう目的の機関で、どういう目標でどういう施策を打ち出しているか、その流れにどう乗るか、次こういう補助金が多分来年できるんじゃないかというのを予想し、どうアプローチをするか...みたいな。
どうやったらできるのかみたいな勉強会を講師として実施しています。需要に合わせてセミナーはカスタマイズして行います。

ツアーで知ったセイコーエプソン社の礎と、
それを未来に繋げるための勉強会。

ー 研修の以降の流れを教えてください。

小坪
勉強会を通じてエプソン販売さんの取り組みに非常に興味を持ち、本社や工場を一緒に見学させていただくツアーを実施していただきました。その際に現地に行かせていただいてセイコーエプソン社の歴史などを学び、本当に興味深い内容でした。長野県に本社があり、その地域にすごいこだわりがある企業ということを感じました。
起業時の時計屋が原点として残っているとか、戦争のときに東京から疎開してきた技術者の技術力で育ったという点など、本当に面白かったです。
特に印象的だったのはセイコーエプソン社の工場は全国に展開されていますが、こちらの工場があるのは歴代の社長の出身地です。
工場立地地域と歴代社長との関係性の話は、とても共感します。地方創生を事業にしている身としては「こんなに良い話はないな」と感じました。
小坪
そして、子田さんと柴崎さんのチームと「環境」をテーマにインクジェットプリンターの置き換えや、ペーパーラボという設備の導入、そして、グリーンモデル推進部の新しい進める取り組みですね。国の補助金や国策の流れに乗り、推進していくためのインプット/アウトプットというか、そんな勉強会を5月から一緒にさせていただいています。
全5回で最初の3回はインプット。4回目に国の施策を踏襲して「こんなことやりたい」というプランを担当者1案ずつ考えてもらいました。
10月の最終回はそれをさらにブラッシュアップする勉強会です。今後取り組みに対しての情熱と方向性を各担当者の中に残せたらうれしいです。
柴崎
これまで販売店さんに担っていただいていた顧客活動が、「グリーンモデル推進部の環境を軸としたビジネスモデルの中で色々なパートナーさんと組みながら直接顧客の声を聞いたり、提案したりという活動に広がってきています。社内で今までなかった文化に進んでいます。

「新しい価値提供」を模索する。
そのためのフットワークと惜しみない情熱。

小坪
以上が、子田さんと柴崎さんと行っている取り組みです。
「税理士や中小企業の経営者にも企業版ふるさと納税を知ってもらいたい」と、勝俣さんが考えてくれて「タビスランド」という会計業界向けWebメディアに、企業版ふるさと納税のコラムをシリーズで掲載していただきました。全く制度のことを知らない人が、検討してriverなどを活用しながら寄付をして、最後は税理士さんに向けた専門的な税務処理のコンテンツまでまとめています。
他にも、企業版ふるさと納税の企業向けの提案資料の制作をを並行して行いました。
中小企業の経営者や税理士さんに向けた「新しい価値提供」を模索するという取り組みです。

ー カルティブにどういった印象をお持ちですか?

子田
熱いですね。小坪さんも池田さんも。
一つの事業に対して深く探求されていて色々な課題点も含めて、いつも話してくれるところに情熱を感じます。
どこにビジネスの種があるのか、という強い探究心をお持ちだなと感じています。
勝俣
riverの会議に出席した時に、地域のパートナー企業を含めて30人ほどいらっしゃいました。
参加者全員がずっと自由に自己主張していて最初は「なんの会議だろう」と感じたんですが、これがグループになり、最終的に結論が出るという、これまで見たことないスタイルだったんです。そこに強いバイタリティを感じました。
柴崎
とにかく「フットワークが軽い」という印象もあります。
我々に提供してもらうものがいくつもある中で、それを提供しても1文にもならないであろうというものもあるんですが、そういうのも惜しみなく提供していただける。
僕らのチームは色々な人の繋がりが必要で、人脈の必要性も大きいんです。
仲間や賛同していただける方をたくさん作りたいという中でカルティブには我々の願いを聞いていただけている実感があり、ありがたいです。

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